人文・思想

知的生活の方法:読書への愛やヒントがたくさん詰まった本

投稿日:2018年1月21日

知的生活の方法-渡部 昇一-idobon.com

この本で自分は読書に目覚めたといっても過言ではない

「1冊の本との出会いによって、人生が変えられた」

そんな言葉、時々耳にしますよね。私もこれまでそれなりに様々なジャンルの本を読んできましたが(といっても凡人なのでたいした数ではないですが…^-^;)、そう呼べる本は、本当にほんの数冊しかありません。そのうちの1冊が、本書「知的生活の方法」です。

著者である英語学者の渡部昇一氏が、本書の前書きで「この本で私が意図したことは、本を読んだり物を書いたりする時間が生活の中に大きな比重を占める人たちに、いくらかでも参考になることをのべることであった。」と述べているとおり、本書には本を読むことが好きな方へのヒントがたくさん詰まっています。

例えば、身銭を切って本を買うことの利点、繰り返し読むことの大切さ、読書メモについての考え方、書斎の構想、知的生活向けの食生活などなど、内容は多岐にわたります。しかし、様々なアドバイスに共通して私が感じるのは、著者の「読書への愛」です。この本を読んでいると、著者がどれだけ本を読む生活が好きか、ということがひしひしと伝わってきて、何か自分も、もっともっと本を読みたくなる、なにかを勉強したくなる、そんな気持ちにさせてくれます。

私がこの本に出会ったのは、大学3年生の時にたまたま大学の書籍部で見かけて購入したことでしたが、もしこの本との出会いがなかったら、私は読書など習慣にしておらず、ましてやウェブサイトで偉そうに(?)ブックレビューなど書いていなかったでしょう。また、興味のあった国際政治学をもっと勉強するために、イギリスの大学院へ留学するなどということもしていなかったと思います。すべては、本書が私の知的好奇心を目覚めさせてくれた、ということに尽きると思います。

新書なので価格も安く、また、著者の文体が柔らかく、本当に読みやすいです。読書を愛するすべての方にお勧めしたい、そんな本です。

 


 

知的生活の方法-渡部 昇一-idobon.com

知的生活の方法 (講談社現代新書)
渡部 昇一

Amazonで見る 楽天で見る

 

 

The following two tabs change content below.

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-人文・思想
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

やり抜く力 GRIT(グリット)-アンジェラ・ダックワース-idobon.com

やり抜く力 GRIT(グリット):私に足りなかったことを教えてくれた、何度も繰り返して読みたい本

「世の中で偉業を成し遂げる人々」の性質と傾向からインスピレーションを受けられる良書 生まれ持った才能や非凡な能力を過信する父親に「おまえは天才じゃない」と幼少時から言い聞かせられて育った著者のアンジェ …

本を読む本 - 読書家をめざす人へ本を読む本 - 読書家をめざす人へ モーティマー J. アドラーモーティマー J. アドラー-idobon.com

本を読む本 – 読書家をめざす人へ:学校で習わなかった、読書の基本を学ぶ本

読書家になりたければ、まず正しい読み方を習おう 井戸本家の本棚でブックレビューを書きはじめてから、本の読み方について正しく学びたいと思い、本書を手に取りました。 1.本の意味が分からない時は、単に単語 …

永遠平和のために-イマヌエル・カントidobon.com

永遠平和のために:平和論の古典ですが…

読みにくいわりに得られるものは少ない 本書は言わずと知れたドイツの大哲学者、イマヌエル・カントによって書かれた、平和論の古典ともいわれる本です。カントと言えば、『純粋理性批判』などの純哲学の著作が大半 …

キリスト教と戦争 (中公新書)-石川 明人-idobon.com

キリスト教と戦争:キリスト教はいかに戦争をとらえてきたかがわかる好著

キリスト教は戦争を肯定しているのか、平和主義なのか 私自身クリスチャンであり、また、国際政治や安全保障に興味があります。そんな私の大好きなトピックが合体した、私にとっては1冊で2度おいしい(?)本です …

自分を鍛える!-ジョン・トッド-idobon.com

自分を鍛える!:200年前から読み継がれる自己啓発本の古典

自分を鍛える! 日々の習慣、読書、運動、交際術など、生活をトータルに改善! 本書は私が大学生時代に出会った本で、以後繰り返し読んでいる愛読書の1冊です。何度読んでも新たに考えさせられ、励まされ、そして …