この本で自分は読書に目覚めたといっても過言ではない
「1冊の本との出会いによって、人生が変えられた」
そんな言葉、時々耳にしますよね。私もこれまでそれなりに様々なジャンルの本を読んできましたが(といっても凡人なのでたいした数ではないですが…^-^;)、そう呼べる本は、本当にほんの数冊しかありません。そのうちの1冊が、本書「知的生活の方法」です。
著者である英語学者の渡部昇一氏が、本書の前書きで「この本で私が意図したことは、本を読んだり物を書いたりする時間が生活の中に大きな比重を占める人たちに、いくらかでも参考になることをのべることであった。」と述べているとおり、本書には本を読むことが好きな方へのヒントがたくさん詰まっています。
例えば、身銭を切って本を買うことの利点、繰り返し読むことの大切さ、読書メモについての考え方、書斎の構想、知的生活向けの食生活などなど、内容は多岐にわたります。しかし、様々なアドバイスに共通して私が感じるのは、著者の「読書への愛」です。この本を読んでいると、著者がどれだけ本を読む生活が好きか、ということがひしひしと伝わってきて、何か自分も、もっともっと本を読みたくなる、なにかを勉強したくなる、そんな気持ちにさせてくれます。
私がこの本に出会ったのは、大学3年生の時にたまたま大学の書籍部で見かけて購入したことでしたが、もしこの本との出会いがなかったら、私は読書など習慣にしておらず、ましてやウェブサイトで偉そうに(?)ブックレビューなど書いていなかったでしょう。また、興味のあった国際政治学をもっと勉強するために、イギリスの大学院へ留学するなどということもしていなかったと思います。すべては、本書が私の知的好奇心を目覚めさせてくれた、ということに尽きると思います。
新書なので価格も安く、また、著者の文体が柔らかく、本当に読みやすいです。読書を愛するすべての方にお勧めしたい、そんな本です。
知的生活の方法 (講談社現代新書)
渡部 昇一
夫
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