人文・思想 教育 洋書

The Professor Is In:学問で食べていきたい人の必読書

投稿日:2020年1月26日

The Professor Is In: The Essential Guide to Turning Your PH.D. Into A Job Karen Kelsky

アカデミックな就職活動のサバイバル教本

本書は、アメリカの博士課程の学生が就職で直面する厳しい現実と、その中でいかにアカデミックな職をゲットするかという方法に焦点をあてて解説している本です。

米国においても、博士課程の学生の就職状況は年々厳しくなっているようです。博士号をとっても、何年も安月給の非常勤講師を勤めた挙句、結局常勤の仕事が見つからず、民間企業などでの仕事を探さざるを得ない、というケースも多いと聞きます。

筆者は、そういう厳しい現実を踏まえ、あえてアカデミックな世界に踏み込まないのも賢い選択だと率直に述べています。そのうえで、それでも学問で食べていく!という決意の固い人は全力で応援しよう、というスタンスです。このフランクな態度に好感が持てます。

本書の素晴らしいところは、まずアドバイスが網羅的であることです。博士課程の1年目の過ごし方から、コンフェレンスに参加する際の注意事項、アドバイザーとの適切な付き合い方、さらには面接の時の服装まで、とにかくこれ1冊あればひととおりアカデミックな就職活動に必要な知識は全部揃う構成になっています。

さらに、本書の優れたもう一つの点は、アドバイスが極めて具体的であることです。CV(レジュメ)の模範的な構成から研究助成金を申し込む際のカバーレターの書き方まで、すぐ使えそうなアドバイスが満載です。

日本では、例えば吉原真里氏の『アメリカの大学院で成功する方法』(中公新書)に、就職活動に関するアドバイスも若干記載されています。しかし、吉原氏の本は、大学院受験の仕方や大学院でのコースワークを生き残る方法など、大学院での生活に重きをおかれているのに対し、本書は就職活動という1点にテーマが絞られていますので、アカデミックな就活、特に国外での研究職を目指している方には、断然本書がおススメです。

私はアカデミックな就職活動をしたことがないので、身をもってその有用性を判断できる立場にはありませんが、これからアカデミックな世界で戦っていこうという方には心強い味方となる本だと思います。


 

The Professor Is In: The Essential Guide to Turning Your PH.D. Into A Job Karen Kelsky

The Professor Is In: The Essential Guide to Turning Your PH.D. Into A Job
Karen Kelsky

Amazonで見る 楽天で見る
The following two tabs change content below.

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-人文・思想, 教育, 洋書
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

保守主義とは何か- 反フランス革命から現代日本まで-宇野 重規-idobon.com

保守主義とは何か:入門書としてうってつけ

保守主義を学ぶにはまずこの1冊から! 私は政治思想について専門的に学んだことはありませんが、長い間興味を持ってきました。保守主義についてもこれまでに何冊か本を読んできましたが、その中でも本書は内容・分 …

The Four Tendencies-Gretchen Rubin-idobon.com

The Four Tendencies:ありそうでなかったタイプ別の対人関係指南書

ありそうでなかったタイプ別の対人関係指南書 メリッサ・グリッフィン(Melyssa Griffin)というオンラインマーケターのPodcastをよく聞いているのですが、そのゲストとして出演していたのが …

自分を鍛える!-ジョン・トッド-idobon.com

自分を鍛える!:200年前から読み継がれる自己啓発本の古典

自分を鍛える! 日々の習慣、読書、運動、交際術など、生活をトータルに改善! 本書は私が大学生時代に出会った本で、以後繰り返し読んでいる愛読書の1冊です。何度読んでも新たに考えさせられ、励まされ、そして …

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと-西原理恵子-idobon.com

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと:この本を中学生女子の課題図書にすべし

女として生きていくことのシビアな現実を教えられる本 漫画「ぼくんち」や「毎日かあさん」の作家、西原理恵子さんが若い女性に贈るメッセージの詰まった本。今年、女の子の親になったので、親目線も持ちつつ読ませ …

Unshakeable: Your Financial Freedom Playbook-Tony Robbins(トニー・ロビンス)-idobon.com

Unshakable:単なる資産運用本ではない、人生の核心に訴えた本

世界的ビジネスリーダーが説く本当の意味で揺るがされない人生 世界的に影響力のあるモチベーショナルスピーカー、コーチ、起業家であるトニー(アンソニー)・ロビンスが、世界の最強な投資家たちにインタビューし …