文系でも読める核兵器の構造に関する入門書
白状します。私、極めて典型的な文系人間です。
大学は考古学を勉強し、大学院では国際関係学を専攻したので、大学受験以降、数学や理科などの科目とは無縁な生活を送っていました。当然ながら、数式などは見ただけでアレルギーが出ますし、高校時代に多少覚えた化学や物理などの基礎知識も今では見る影もなく…
しかし!本書なそんなド文系の私でも理解できる、易しい核兵器&原子力発電の入門書です。世界では核兵器の廃絶が叫ばれておりますし、2011年の福島原発の事故を契機に、原子力発電の是非についても議論が戦わされています。
そのような議論があることは承知しているけども、そもそも核兵器とは、原子力発電とはどういう仕組みなのか、ということはあまり詳しくない人も多いのではないでしょうか。私もその一人だったりします。
そんなあなたに強い味方!本書は、核兵器の仕組みを説明するために、そもそも核とは何か、原子とは何か、という基礎的な説明から始めてくれます。随所に化学や物理学などの専門的な説明が入ることがありますが、素人にも理解しやすいようにかみ砕いて説明してくれるので、私のような文系人間でも容易に理解できます。
本書を読めば、核兵器はどうやって作られるのか、放射能とは何か、なぜ原子力発電を行うと、核兵器の原料となりうる物質が生産されるのか、などなど、様々な疑問についてすっきりと理解できます。
核兵器や原子力発電の是非については、まずは基礎的なことを理解してから議論すべきだ、というのが本書の筆者の立場ですが、そのとおりと思います。
本書は、建設的な議論を行う土台となる基礎知識を提供してくれる素晴らしい入門書です。核・原子力などの分野に興味のある方は、ぜひ一読をおススメします!
核兵器の仕組み
山田 克哉
夫
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