社会・政治 軍事

核兵器の仕組み:核兵器や原子力発電の仕組みが面白いほどわかる

投稿日:2019年10月23日

文系でも読める核兵器の構造に関する入門書

白状します。私、極めて典型的な文系人間です。

大学は考古学を勉強し、大学院では国際関係学を専攻したので、大学受験以降、数学や理科などの科目とは無縁な生活を送っていました。当然ながら、数式などは見ただけでアレルギーが出ますし、高校時代に多少覚えた化学や物理などの基礎知識も今では見る影もなく…

しかし!本書なそんなド文系の私でも理解できる、易しい核兵器&原子力発電の入門書です。世界では核兵器の廃絶が叫ばれておりますし、2011年の福島原発の事故を契機に、原子力発電の是非についても議論が戦わされています。

そのような議論があることは承知しているけども、そもそも核兵器とは、原子力発電とはどういう仕組みなのか、ということはあまり詳しくない人も多いのではないでしょうか。私もその一人だったりします。

そんなあなたに強い味方!本書は、核兵器の仕組みを説明するために、そもそも核とは何か、原子とは何か、という基礎的な説明から始めてくれます。随所に化学や物理学などの専門的な説明が入ることがありますが、素人にも理解しやすいようにかみ砕いて説明してくれるので、私のような文系人間でも容易に理解できます。

本書を読めば、核兵器はどうやって作られるのか、放射能とは何か、なぜ原子力発電を行うと、核兵器の原料となりうる物質が生産されるのか、などなど、様々な疑問についてすっきりと理解できます。

核兵器や原子力発電の是非については、まずは基礎的なことを理解してから議論すべきだ、というのが本書の筆者の立場ですが、そのとおりと思います。

本書は、建設的な議論を行う土台となる基礎知識を提供してくれる素晴らしい入門書です。核・原子力などの分野に興味のある方は、ぜひ一読をおススメします!

 


 

核兵器の仕組み
山田 克哉

Amazonで見る 楽天で見る
The following two tabs change content below.

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-社会・政治, 軍事
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

In Defence of War-Nigel Biggar-idobon.com

In Defence of War:キリスト教神学者が書いた戦争論の傑作

戦争と平和主義を考えるうえで最高の専門書 色々と本を読んでいて、震えるほど知的興奮に満たされる本に出会えるのは、私の場合せいぜい年に1~2冊くらいです。しかし、2019年は初っ端からきました!今年はい …

On China-Henry Kissinger-idobon.com

On China(邦訳タイトル:中国):重鎮キッシンジャー氏による長大な中国論

不満な点もあるが、面白い 本書の著者は言わずと知れた米国政治界の重鎮、ヘンリー・キッシンジャー氏です。キッシンジャー氏は大統領補佐官や国務長官を歴任し、1970年代の米中国交正常化にも当事者として深く …

実践・私の中国分析―「毛沢東」と「核」で読み解く国家戦略-平松茂雄-idobon.com

実践・私の中国分析―「毛沢東」と「核」で読み解く国家戦略:中国の政治・軍 事に興味のある方は必読の研究論

読むと勉強したい気持ちが湧いてくる 著者である平松茂雄氏は、多くの中国の軍事関係の専門書を出されていますが、本書は一般向けに書かれており、専門知識がなくてもストレスなく読むことができます。 本書は、著 …

大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇-堀 栄三-idobon.com

大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇:インテリジェンスから見る太平洋戦争の反省

インテリジェンスについて耳の痛いアドバイスが満載 本書は、太平洋戦争中、陸軍のインテリジェンス部門に勤務していた筆者が、インテリジェンスの観点から太平洋戦争を振り返る本です。平易な口調で語られる、読み …

米中もし戦わば-入門 論文の書き方-ピーター ナヴァロ (著),‎ 赤根 洋子 (翻訳)-idobon.com

米中もし戦わば:米中関係の知識整理にうってつけ

一見タイトルは激しいが内容はまとも 何とも刺激的なタイトルですね(^-^; しかも、著者がトランプ大統領の政策顧問であることから、内容もかなり刺激的な内容になっている。。。かと思いきや、本書で述べられ …