一見タイトルは激しいが内容はまとも
何とも刺激的なタイトルですね(^-^; しかも、著者がトランプ大統領の政策顧問であることから、内容もかなり刺激的な内容になっている。。。かと思いきや、本書で述べられていることは、(同意するかどうかは別として)とてもまともだと思います。また、米中関係にまつわるいろいろなテーマがQ&A方式でまとまっており、読みやすいのもポイントだと思います。
実際、本書における中国の軍事力の評価や、中国と北朝鮮との関係、孫子の哲学を根底とする中国の戦略に関しての記述は、多くの中国研究者と共通するものが多いと思います。それは逆に言えば、本書を読んでいると、「どこかで読んだことがあるな。。。」と感じる部分が多いということでもあると思います(専門家でもない自分が感じるくらいですから、同じように感じる方も多いのではないかと思います。)。
ただ、では本書を読む価値がないかといわれると、そうでもないと思います。冒頭述べたように、わかりやすく書かれていること、また、米中関係のいろんな側面(経済、軍事戦略、ナショナリズム、北朝鮮やロシアなどの周辺国の影響)についてコンパクトにまとまっていることなどから、他の専門書等に比べとっつきやすく、この分野の入門書としてもいいと思いますし、また、ある程度知識のある方でも、頭の整理にうってつけだと思います。
著者の本職は経済学者で、対日貿易で強硬的な意見も目立つ著者が出した米中関係の本だったので、実は出版後もしばらく敬遠していたのですが(笑)、読んでみるととても楽しく読了できました。興味のある方は是非一読をおススメします!
米中もし戦わば
ピーター ナヴァロ (著), 赤根 洋子 (翻訳)
夫
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