社会・政治 軍事

剣の刃:これからの日本に必要な本

投稿日:2018年6月12日

【ブックレビュー】剣の刃-シャルル ド・ゴール-idobon.com

政治と軍事の関係を考える上でとても参考になる

「剣の刃(つるぎのやいば)」、かっこいいタイトルですね。何を隠そう、私が本書を購入したきっかけは、もちろん優れた本であると聞いたからというのもありますが、なんと言っても私の中二病をくすぐるタイトルに惹かれたからです(笑) しかも、今でこそ文庫本で安く手に入りますが、私は2014年ごろ、中古の単行本を5000円くらいで購入した記憶があります。。。(^^;)

それはさておき、本書はフランスの大統領も務めた、著名な軍人、シャルル・ド・ゴール将軍による軍事論です。

本書では、
・軍隊とは
・軍人とは何か
・政治との違いは何か
・政治と軍事の関係はどうあるべきか
などについて考察されています。

大統領、そして将軍と、政治と軍事でトップに上り詰めた人が語る政治論・軍事論は説得力があります。

現在の日本では、憲法9条を改正して自衛隊を明記する、などの議論が出ており、日本として自衛隊をどう位置づけるかについて、注目が集まっています。このまま憲法の禁ずる戦力には当たらない「実力」としての自衛隊を存続させるのか、憲法を改正して自衛隊を憲法に明記させるのか、それともより一歩進んで「国防軍」として、正式な軍隊と位置付けるのか。。。。

このような議論は、それこそ政府の強調するような、「国民的な議論の深まり」の中で決めていくことかもしれません。であるからこそ、そもそも軍隊とは何か、政治との関係はどうあるべきか、ということを、私たちも考えてみることが求められているのではないかと思います。日本では戦後、あまり軍事論に関する本は出版されていない中、本書は貴重な知見を提供してくれると思います。

特に印象的だったのは、著者は、軍事が政治に優先すると、国内だけでなく外国との関係でも緊張を生み出すので望ましくないとしつつ、政治が軍事に優先することも、政治が軍人社会を腐敗させてしまうので、また望ましくないとしています。それゆえ、政治家と軍人は、両者の違いを認識したうえで、互いに協力していかなければならない、と述べています。

著者の考えに同意しなくとも、政治家及び軍人(日本の場合は自衛隊)について、それぞれお互いの組織、文化、考え方などの違いをまず認識すべきとの意見は、拝聴に値するのではないかと思います。その違いについて自分なりに考える土台として、本書はうってつけだと思います。

もし、憲法を改正することとなれば、最終的な判断を下すのは国民投票における私たち一人ひとりです。しっかりとした知見を持って、この国の行く末に携わっていきたいですね!

なんか真面目なレビューになってしまいましたが、実は「愛読書は『剣の刃』という本です(`・ω・´) キリッ!」と言いたいがために本書を気に入っているという面もあります(笑)
今では安く買えますので、皆様もぜひご一読を!(^^)/

 


 

【ブックレビュー】剣の刃-シャルル ド・ゴール-idobon.com

剣の刃
シャルル ド・ゴール

Amazonで見る 楽天で見る  

 

The following two tabs change content below.
夫

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-社会・政治, 軍事
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

北朝鮮 核の資金源「国連捜査」秘録:スパイ小説並みに面白い

北朝鮮制裁をめぐる裏の世界 北朝鮮をめぐる国際政治の裏の世界を垣間見た…というのが、本書を読んだ率直な感想です。北朝鮮の繰り返される核実験・弾道ミサイル発射によって、北朝鮮への制裁はこれでもか、これで …

民間防衛ーあらゆる危険から身をまもる-原書房編集部 (翻訳)-idobon.com

民間防衛ーあらゆる危険から身を守る:ハウツー本にとどまらない奥深さ

スイス政府の気概に感服 本書は冷戦時代、スイス政府が全国の各家庭に1冊ずつ配られたとされる本です。戦争が起こったときのために平素からいかに備えるか、そしていざ戦争が起こった時にいかに対応するか、といっ …

米中もし戦わば-入門 論文の書き方-ピーター ナヴァロ (著),‎ 赤根 洋子 (翻訳)-idobon.com

米中もし戦わば:米中関係の知識整理にうってつけ

一見タイトルは激しいが内容はまとも 何とも刺激的なタイトルですね(^-^; しかも、著者がトランプ大統領の政策顧問であることから、内容もかなり刺激的な内容になっている。。。かと思いきや、本書で述べられ …

分断されるアメリカ-サミュエル ハンチントン-idobon.com

分断されるアメリカ:アメリカの「分断」についての考えをひっくり返してくれる刺激的な書!

アメリカの「分断」についての考えをひっくり返してくれる刺激的な書!:分断されるアメリカ 昨年、トランプ大統領が就任する前後で文庫版で復刊され(最初の翻訳出版は2004年)、話題となった本書。著者は、『 …

On China-Henry Kissinger-idobon.com

On China(邦訳タイトル:中国):重鎮キッシンジャー氏による長大な中国論

不満な点もあるが、面白い 本書の著者は言わずと知れた米国政治界の重鎮、ヘンリー・キッシンジャー氏です。キッシンジャー氏は大統領補佐官や国務長官を歴任し、1970年代の米中国交正常化にも当事者として深く …