保守主義を学ぶにはまずこの1冊から!
私は政治思想について専門的に学んだことはありませんが、長い間興味を持ってきました。保守主義についてもこれまでに何冊か本を読んできましたが、その中でも本書は内容・分量・わかりやすさ的に最も入門書として優れているのではないかと思います。
まず、何といっても薄い新書版であることですね。類書では『保守主義の精神』(ラッセル・カーク著)などがありますが、あちらは上下組で計800ページくらいあります。生半可な気持ちでは返り討ちにあいます(笑) こちらは200ページちょっとなので、気軽に読み進めることができます。
次に、本書は保守主義の中心的な思想家であるエドマンド・バークやフリードリヒ・ハイエクなどの主張をかみ砕いて非常にわかりやすく説明してくれている点が好印象です。私もバークやハイエクの著書を何冊か読みましたが、本書を読んですごく理解が深まりました(というか、本書の解説を読んで「あ、そういうことだったの?」と初めて理解できた部分も多々ありますw)
さらに、保守主義思想の中心であるイギリスやアメリカの思想家だけではなく、日本における保守主義の(もしくは類似の考え方をする)思想家についても解説してくれています。そしてこれからの日本の保守主義はどうあるべきなのかについての提言も行っており、考えさせられます。
保守的な思考をする方もそうでない方も、現在も一定の影響力を持っている保守主義を理解することは、決して無駄ではないと思います。個人的に、筆者独自の主張(これからの日本の保守主義にあり方など)には必ずしも賛成できない部分もありますが、解説の部分についてはとてもしっかりしていると思います。
なお、本書を読み終えたあとは、前述したカーク著『保守主義の精神』(近日レビュー予定)がおススメです。より一層理解が深まること請け合いです!
保守主義とは何か- 反フランス革命から現代日本まで
宇野 重規
夫
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