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The Bible and National Defense:クリスチャンとして国家の防衛をどう考えるべきか?

投稿日:2018年5月28日

The Bible and National Defense: What the Bible Has to Say About War and the Price of Our Freedom-Bob Yandian-idobon.com

聖書と国防を考えるうえで貴重な本

さて、タイトルからして「そんな本誰が読むの?」と言われそうな本ですが、完全に自己満足としてレビューしたいと思います(笑)

聖書を読んだことのない人でも、「右の頬を殴られたら、左の頬も差し出しなさい」という新約聖書の言葉は聞いたことがあるかもしれません。これって、個人としても、なかなか出来ない難しいことですよね。私もクリスチャンですが、理不尽に殴られたら、どうしても殴り返したい衝動に駆られてしまうのではないかと思います…(^^;) しかし、日本のクリスチャンの言論界では、このような新約聖書の言葉を個人だけではなく国家レベルまで適用し、武力は用いず、完全な非武装、無抵抗主義(いわゆる平和主義?)を唱えている方が大多数のように思います。

そのような主張自体を否定するわけではありません。しかし、日本ではその勢力が強すぎて、「平和主義にあらずんばクリスチャンにあらず!」というような論調も多く見られ、このような状況に若干違和感を抱いてもいました。聖書に従うならば、本当に自衛のための武力もかなぐり捨て、無抵抗主義を支持しなければならないのでしょうか?

そのような疑問を抱き、日本だけでなく、海外の関連本を漁っている中で出会ったのが本書です。タイトルがもう直球過ぎですが(笑)、もちろん本書は、クリスチャンとして、武力を用いる国家の防衛に肯定的な立場です。簡単にまとめると、国家は、国民の福音を広める自由を守る義務を神様から与えられているのだから、その国家が外部の武力侵攻から不当に攻撃された場合、武力を用いて守ることも、また聖書の精神にかなうものである、と。

「右の頬を。。。」という先ほどの下りについても、筆者は、「それはイエス様のために迫害を受けた場合の話で、他国から不当に武力の行使を受けた場合に、自由を守るために戦うことをも否定するものではない」と主張しています。筆者の解釈に賛成するか否かは別としても、日本でもこういう意見はあってもいい、主張されてもいい、と思います。

正直、本書は100頁ちょっとの薄い本であり、もうすこし主張を掘り下げてほしかったなあ、と思う部分はありますが、それでも日本のクリスチャン系の本にはなかなか見られない内容であり、一読の価値はあると思います(と言っても、相当ニッチな分野であることは否めませんが…笑)。


 

The Bible and National Defense: What the Bible Has to Say About War and the Price of Our Freedom-Bob Yandian-idobon.com

The Bible and National Defense: What the Bible Has to Say About War and the Price of Our Freedom
Bob Yandian

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国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
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