二人の著者の愛のこもった名著リスト
本書は、言わずと知れた読書界の巨人である、谷沢永一氏と渡部昇一氏が、おススメ本についての熱い想いを語った対談録となっています。読書を知り尽くしたお二人の、読書に対する愛や、愛読書に対する思い入れなどがビシビシ伝わってくる好著です。
読書論が大好きな私は、「必読の名著50冊」とか、「読むべき100冊の本」なんてキャッチコピーの付いた本によくつられてしまいます。しかし、いくら名著が紹介されていると言っても、小難しい本が無味乾燥に解説されているだけでは、それらの本を読みたいという気もなかなか起きず、しまいにはその本さえもついに読了せずに終わってしまう、ということがよくあります。
しかし、この本についてはそのような心配は無用です!著者のお二人が実際に読んで、本当に感銘を受けたものだけが熱い解説とともに紹介されており、こちらもぜひ読んでみたい!という気にさせられます。実際、著者が本書で述べているように、プラトンやソクラテスなど、「言わなくてもいいような名著」はわざと省かれており、読みやすいものが中心となっています。
紹介されている本は人生論、政治・経済、哲学、小説、歴史など多岐にわたり、幅広い読者にとって参考になるのではないかと思います。私も本書を読み、カール・ヒルティの『幸福論』(いずれレビューしたいです)、セネカ『人生の短さについて』(これもレビューしたいです)、伊藤正徳『軍閥興亡史』(ああ、これも!)など、今では私の愛読書となった本にいくつも出会うことができました。
対談本なので読みやすく、読書好きの方にはあっという間に読めてしまうのではないでしょうか。今なら中古本で安く手に入りますので、その点でもおススメです!
いま大人に読ませたい本
谷沢永一、渡部昇一
夫
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