日本史 歴史

こうして歴史問題は捏造される:「公文書」から見る歴史問題

投稿日:2018年2月8日

こうして歴史問題は捏造される-有馬哲夫-idobon.com

「公文書」から見る歴史問題

「慰安婦問題」や「南京大虐殺」などのいわゆる歴史問題について、そのおかしい部分や、そのようなおかしい部分がなぜ出てくるのか、などについてわかりやすく解説してくれる本です。タイトルからちょっと扇動的な印象を受けましたが、内容は至極まともな本でした(笑)

著者である有馬氏は、いわゆる歴史問題がこじれている一つの原因について、中国や韓国の主張していることは、「反証可能性」のない根拠に基づくもの(事実か否か確かめようもない漠然とした「証言」など)ばかりで、事実がねつ造されている部分が多い、と指摘しています。

また、中国や韓国の政権の正当性を確保するために日本を悪く言う必要があることや、海外で歴史問題を持ち上げることで日本の「ブランドイメージ」を低下させ、海外で自国の商品等の売り上げを伸ばそうとしている、などの背景も、日本をめぐる歴史問題が一向に解決に向かわない理由であると解説しています。私自身、なぜ歴史問題はこれほどこじれてしまっているのだろうと、疑問に思っていましたが、本書を読んで、その理由が整理できたような気がしました。

それから、日本のテレビ番組で歴史のねつ造が頻発する理由についても、その構造的な欠陥に原因があると指摘するなど、内容が多岐にわたり、とても読みごたえがあります。

内容にボリュームはありますが、それらがわかりやすくまとめられているので、すらすらと読めてしまいます。中国や韓国との間の歴史問題に興味のある方なら、ぜひ一読をおススメします!(*^^*)

 


 

こうして歴史問題は捏造される-有馬哲夫-idobon.com

こうして歴史問題は捏造される
有馬 哲夫

Amazonで見る 楽天で見る

 

 

The following two tabs change content below.

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-日本史, 歴史
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編-安藤 達朗,‎ 山岸良二,‎ 佐藤 優-idobon.com

いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編:「一気に」とはいきませんが…

タイトル通り「一気に学べる」わけではないが、社会人になってから歴史を学びなおすには最適の一冊 本屋で見かけ、「今売れています!」という売り文句につられてついつい買ってしまいました。(←ミーハー) 「一 …

いっきに学び直す日本史 近代・現代 実用編-安藤 達朗 (著),‎ 山岸良二 (監修),‎ 佐藤 優 (編集)-idobon.com

一気に学び直す日本史 近代・現代 実用編:教養編に続き良書

ややイデオロギー色が強いが、勉強になる 本書は、以前レビューした「一気に学び直す日本史 古代・中世・近世 教養編」の続編です。(元々1冊の本を2冊に分けて改訂したものなので、厳密には続編というわけでは …

地図で読む日本の歴史―歴史を動かした「重大事件」99 (知的生きかた文庫) -「歴史ミステリー」倶楽部 -idobon.com

地図で読む日本の歴史―歴史を動かした「重大事件」99:楽しく読める日本の歴史

スキマ時間のお供にどうぞ 実は私、歯を磨いたりトイレに入っている間に何か読みたい派です。そういう時は、気軽に読めるエッセイなどをよく読むのですが、ある時ずぼらな私は思いたちました。こうやって歯を磨いた …

戦う北欧:抗戦か・中立か・抵抗か・服従か-武田龍夫-idobon.com

戦う北欧 抗戦か・中立か・抵抗か・服従か:類書なき良書

軍事力なしには平和も中立も守りえなかった悲壮の歴史 絶版して久しい本書ですが、読んであまりにも面白かったので、レビューさせていただきます!(アマゾンで簡単に中古本を購入できますしね♫ 良い時代です) …

危機の指導者チャーチル-冨田 浩司-idobon.com

危機の指導者チャーチル:「ヒトラーから世界を救った男」の背景に迫る

現役の外交官が描いた、わかりやすいチャーチル解説本 日本で2018年3月末から公開されている映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」は、チャーチルが首相に選ばれて、これから首相とし …