論文のみならず文章スキルを向上させたい全ての大人向け
その名のとおり、論文を書きたい!という人のための手引きとして書かれた本です。
論文を書くという技術は、学生のみならず、社会人でも、企画書等の形でペーパーを書くことが求められるため、必要なスキルである、というのが本書の筆者の主張です。私も仕事をするうえで、上司に説明するため、又は他部局と調整するため、ペーパーを書くことが多いので、この筆者の主張はうなずけるものがあります。
本書の内容は、論文を書くことの重要性から始まり、論文のテーマの決め方、論文を書くまでの準備、実際に論文を書く際や発表の仕方についてのアドバイスなどからなっています。硬いテーマの割にはわかりやすく書かれており、ストレスなく読み進めることができます。
この本は、論文をこれから書き始めたい、という人のみならず、ある程度の経験者が読んでも得られるものは多いと思います。私も、大学院生の時に本書を読みましたが、テーマの決め方や推敲の仕方など、参考にさせていただいた部分は多かったです。
ただ、大学生や大学院生の方で、良い学術論文(もしくは期末レポート等)を書くためのハウツー本としては、やや議論が拡散しすぎており、そのような目的では別の本を読んだ方がいいのかなと思います。(そういう目的で個人的なおススメは、川﨑剛『社会科学系のための「優秀論文」作成術』と、洋書ですが、Gerald Graff, Cathy Birkenstein『They Say/I Say: The Moves That Matter in Academic Writing』です。
それぞれの本も、いずれレビューしたと思います!)
むしろ本書は、いつか論文or本を書いてみたい、企画書等を書くスキルを向上させたい、という社会人の方に、基礎知識及びモチベーションを提供するという意味で最適な本ではないかと思います。
入門・論文の書き方(PHP新書)
鷲田小彌太
夫
最新記事 by 夫 (全て見る)
- Naked Economics(経済学をまる裸にする):すべての経済オンチに贈る最高の入門書 - 2022年11月2日
- 平和主義とは何か:平和主義とは何か:冷静に平和主義を考えるために - 2020年2月14日
- 自分の時間:限られた時間で自分を高める方法 - 2020年2月7日