高脂肪食は体に悪くない、むしろ脳のパフォーマンスを上げる
高脂肪=悪、低脂肪=善という考え方が、ここ30年くらいでは常識となっていましたが、世界の健康業界ではそれが見直されてきています。そもそも農耕社会が始まる前は、人間は狩猟・採集をしながら生きてきたわけであって、その頃の食事をみるとカロリーの大半を脂質が占めるのだとか。
確かに本書の主張する通り、食べるものによってIQが変わるというのはすごくあると私も思います。高糖質の食事で血糖値スパイクを繰り返すと、頭の回転が遅くなると感じます。
ここ1年間、井戸本家もこの本に習って朝食をガラリと変えました。お米に卵、納豆、味噌汁を食べていたものを、朝に炭水化物を食べるのをやめ、代りに脂質の分量を増やしました。朝の定番メニューは、卵、アボカド、オリーブオイルをたっぷりかけたサラダまたは蒸し野菜、そしてMCTオイルを入れたマッシュルームコーヒー。この本では朝はバターコーヒーを使った断食を進めていますが、それをすると妻はフラフラしてしまうので、たんぱく質&ビタミンミネラルたっぷりの野菜も食べるようにしています。
効果はというと、朝に炭水化物を食べないので、血糖値が安定するようになったご様子。よって、朝食を食べた1時間後になぜか腹ペコになったり、眠くなったりするという現象がなくなりました。しっかり脂質を摂っていれば、昼前にお腹が減るということもありません。これで長年落ちなかった「最後の2キロ」がすんなり落ちたという友人もいます。食欲コントロールでお悩みを抱えている方は、一度試してみてもいい食事法かもしれません。
詳しくはこちらの記事にまとめています。
0か100か思考の人は読んでて混乱するかも
著者のデイヴ・アスプリー氏は、30万ドルをかけて最高の食事法を開発したと言っています。ただし、この方が大金をかけて生み出した食事法が、自分にも合うとは限りません。
例えば、本書ではカビ毒の危険性について強く訴えていますが、全てを気にしていたら何も食べられなくなります。ナス科が頭痛や関節痛を起こそうと、私はトマトが好きだし。キノコは病気でもないのに薬を飲んでいるようなものと言われても、マッシュルームコーヒーファンとしてはキノコを食べなくてもいいというのは同意できない(笑)。この本を信じてバターを入れたコーヒーを飲み続けて、体調を崩している人も続出しているようですし。
だからこの本に書いてあることの、何を信じて何を取り入れるかは、自分次第だと思います。全てを鵜呑みにしてしまうような人は、読んでて不安になるかも。
結局のところ、どの健康法もどこまで追求するかはその人の生き方、達成したいゴール次第なのだと思います。
脳の回転の速さとクリエイティビティを求められる仕事をしている身としては、自分に合わない食事をして頭をぼーっとさせている余裕がありません。だから朝からパンにジャムを付けて食べることはしないし、午後のスタバでラテとデニッシュをいただくこともしません。頭の回転が遅くなり、仕事の質が落ちては困ります。グルテン不耐症なのでお腹を下すのもカンベン。
でも、そんなことよりも美味しいものを好きなだけ好きな時に食べたい!それで太ろうと頭がぼーっとしようと病気になろうとかまわん!という人は、それはそれで人生の選択だと思います。
どんなダイエット法を試してもだめだった人、仕事のパフォーマンスを上げたい人には一読の価値あり
細かいことはさておき、本書では大豆の危険性とか、有酸素運動で痩せないのはなぜかとか、海外の健康通のうちでは常識となりつつあるのに、日本ではまだ認知されていない情報をまとめて知ることができます。
糖質制限をしてもカロリー制限をしてもランニングをしても痩せられない、昼食後に眠くなってしまって仕事に身が入らない、という方には一読の価値ありだと思います。世界の健康トレンドを把握する意味でも、興味深い本です。
シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
デイヴ・アスプリー
妻
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