ワクワクさせてくれる格好の入門書
その名のとおり、戦争や安全保障に関する名著を紹介する本ですが、セレクションが古今東西そろっていて、勉強になります(*^^*) 昔はトゥキディデスの『戦史』や『孫子』、『ガリア戦記』などの古典に始まり、クラウゼヴィッツの『戦争論』やジョミニの『戦争概論』などの定番に加え、現代の代表的な著作まで紹介されており、これ1冊で、一通り戦争に関する名著をカバーできるような構成になっております。
解説も、それぞれの著作ごとに2~3ページほどでまとめられており、また、専用用語などを使わず易しく解説してくれているので、ストレスなく読むことができます。もちろん、それでその本の中身を網羅することはできませんが、この解説を読んだ後に、原著を読むようにすれば、理解も早まると思います。(私も、カントの『永遠平和のために』などを読んだ時は、この本にだいぶ助けられました)
ところで、本書は、「経済戦略や経営戦略といった分野で活躍されている方々にも読んでいただける内容になっている」とのこと。私自身はビジネス関係の仕事をしていないので何とも言えませんが、確かに、ビル・ゲイツや孫正義といった著名なビジネス人も『孫子』を愛読しているとのことなので、戦争論とビジネスはいろいろと通じるものがあるのかもしれませんね。
戦争論・戦略論などに興味のある方には、「どういう本を読んだらいいのか」という格好の指針になるのではないかと思います。私自身、こういう読書案内・文献案内などの本は大好きで、この本をきっかけにまたいろいろと本を買い込んでしまいました(^^;) 知的好奇心を刺激してくれる良い本だと思います。
名著で学ぶ戦争論
石津 朋之 (編著)
夫
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