洋書 自己啓発

The Subtle Art Of Not Giving F*ck:題名は強烈だが大切なことを学ばされる。細かいことを気にしてしまう人必読

投稿日:2018年2月5日

The Subtle Art Of Not Giving F**k-Mark Manson-idobon.com

2017年に読んだ中で最も影響を受けた本

タイトルにはかなりぎょっとさせられるのですが、汚い言葉遣いの反面、書いてあることは非常にまともで哲学的でした。

この本との出会いは、好きでよく見ているアメリカのライフコーチ、マリー・フォーリオ(Marie Forleo)さんのYouTubeに、この本の著者であるマーク・マンソン(Mark Manson)さんが出演していたことから。

人間関係がうまくいかなかった時などに、そのときのことをぐるぐる考えて、今やるべきことに手がつかない時ってありますよね。「あの時あぁ言ってやればよかった」とか「今度会ったらこう言ってやる!」とか、延々と考えてしまう。

私にもこういうことがよくあって、気持ちの切り替えがうまくできなかったりします。そういう部分を何とかしたいなと思っていたところ、この本に出会ったのです。

 

そもそも「give f*ck」の意味とは・・・

まず初めに「give f*ck」の意味がわからないとこの本のウィットが伝わらないので、説明しておきます。「 f*ck」の意味は性行為ですが、この場合では文字通り性行為をするということではなく、汚い言い方で「気にする」という意味合いで使われます。普通の会話で「そんなの気にしないよ」は「I don’t care.」ですが、それをちょっと乱暴にした俗な言い方が「I don’t give a f*ck.」です。日本語に置き換えると「そんなクソ気にしねーよどアホ」くらいなノリです(言葉悪くてごめんなさい)。

でもこのレビューでそのような言葉の使い方をするのは気が引けるのですが、「give f*ck」を「気にする」で片づけてしまうのももったいない気がするので、ここはシモに方向転換して「御糞様(みぐそさま)をお出しする」に置き換えることにしましょう(笑)。

 

心に刺さったひとこと

非常に汚い言葉遣いではあるのですが、この本の中で一番心にぐさっと来た箇所がありました。

“You and everyone you know are going to be dead soon. And in the short amount of time between here and there, you have a limited amount of fucks to give. Very few, in fact. And if you go around giving a fuck about everything and everyone without conscious thought or choice—well, then you’re going to get fucked.”

「自分も周りのみんなもどうせすぐに死んじまう。だから死ぬまでの短い間、お出しできる御糞様(みぐそさま)の量は限られている。本当に少ない、実のところ。だから意識的に選択しないで、全ての事や人に対して御糞様をお出ししていたら、自分自身が御糞様まみれになってしまう。」

はい、汚いですね。

要するに、「人生は短いので、気にすべきことだけ気にしようね」ということなのですが、ポイントは「意識的に」という部分。意識しないで、自分の考えや思いを置くところを流れに任せていたら、あっという間に人生は終わってしまうのです。人間は本能的に、意識しないとネガティブなことばかり考える性質があります(こちらに関連投稿書きました)。意図的にもっと自分の人生にとってプラスになることに心を置く練習をしていないと、ネガティブなことばかりに流されてしまうのです。

 

自分が無意識に作っている「前提」を見直す

この本でもう一つ教えられたのが、人間関係を考えるときにわたしたちがいかに無意識に「前提」を作っているかということ。

例えばコンビニの店員に無礼な態度をされたとする。そのことで「マナー違反なやつだ!」とムっとしてしまうことがあるかもしれません。

でもそれは、「コンビニの店員は自分に丁寧に接するべきだ」という前提を自分の中で知らず知らずに作ってしまっているから。

また、自分のソーシャルメディアの投稿に批判的なコメントが書かれたとする。そこでネガティブな気持ちになってしまうのは、「みんな私の投稿を見て『いいね!』やポジティブなコメントをくれるべきである」と、どこかで無意識に期待してしまっているから。

何事に対しても、わたしたちはどこかで選民意識というか、「人は自分を上等に扱うべきである」という期待を抱いてしまっているのだと思います。だからそうでないとムっとする。

人間関係や日常生活において何か不快なことがあったとき、それに対する自分の反応の背景にはどんな潜在意識が潜んでいるか、見直してみると良いかもしれません。無意識に作っている「前提」から一歩離れて考えてみると、意外とやわらかな受け取り方ができたり…良い意味で人に期待しすぎないというか、そういう姿勢が私にももっと必要だと教えられました。

 

まとめになりますが、FワードやSワードに眉をひそめるタイプでないのであれば、この本は超おすすめです。ぜひ日本語訳も出てほしいです。でも「give f*ck」を「気にする」と訳さないでほしいな・・・(でも御糞様はないか)。

 

>2018年5月追記
4月に日本語訳が出ておったぁああああああ!!!
気になる邦題は・・・

その「決断」がすべてを解決する―――貴重な人生を浪費しない「5つのロードマップ」

えぇえええ全然違くない?
Give f*ckは!?

まぁその方が分かりやすくて、売れるんだろうけどさ!ウィットに欠けるウィットに!


 

The Subtle Art Of Not Giving F**k-Mark Manson-idobon.com

The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life
Mark Manson(マーク・マンソン)

Amazonで見る 楽天で見る

 

【日本語版】

その「決断」がすべてを解決する―――貴重な人生を浪費しない「5つのロードマップ」- マークマンソン 本

その「決断」がすべてを解決する―――貴重な人生を浪費しない「5つのロードマップ」
マーク・マンソン (著), 大浦 千鶴子 (翻訳)

Amazonで見る 楽天で見る

 

 

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体や栄養に関するマニアックな本、経済・投資関連の本、社会学系の本が好き。モノを増やしたくないので本はできる限りデジタルにしたいと思っている。ミステリー&サスペンス系の小説が好きだが、はまり込むと家事や仕事をおろそかにするのでたまにの楽しみにしている。
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