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カラマーゾフの兄弟:真実を語ること。それが善に繋がる

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カラマーゾフの兄弟-ドストエフスキー-idobon.com

何度も読み返すべき良書。その度、新しい教訓を得られる

ドストエフスキーの超有名長編小説、カラマーゾフの兄弟。ようやく通読しました。5巻に至るこの小説、光文社の古典新訳だからこそ読み終えることが出来たと思います。古い訳だと、読みにくいと躊躇しがちな古典ですが、この古典新訳シリーズはサクサク読め、楽しめます。特にカラマーゾフの兄弟は長編ですし、ところどころ読みにくいと感じる箇所があるから尚更です。トルストイのアンナ・カレーニナもこの新訳シリーズで完読できました。光文社様様。

この壮大な小説、私のような一般市民がどのようにレビューを書いたら良いか、しばらく考えていましたが、小説から見出した1つのテーマに絞ってレビューしてみたいと思います。

私が読んで感じたこの小説のテーマのひとつは、「真実を語ること」。
それは特にアリョーシャとゾシマ長老によって表されます。殺されたフョードル・カラマーゾフの三男坊であり、主人公でもあるアリョーシャの良さは、彼が真実を語ることに尽きます。カラマーゾフ兄弟の次男であるイアンの方が雄弁で頭がキレますが、時には黙ってしまったり、気の利いたことの言えないアリョーシャの方が常にまことを語り、彼の周りの人々もその真実に感化され、それは物事の状態を良い方向に持っていく結果になります。それにより、様々な人からの信用も勝ち得ます。

また、「真実を語る」ということは他人に対して有益なだけではなく、私たち自身のためでもあります。真実が私たちを強くします。真実を語るときは、偽りを言うときのような後ろめたさがないのです。その事実が私たちの精神に働きかけ、更なる善をしようと突き進めてくれるのです。

聖書のこの箇所を思い出しました。


ヤコブ5:12
…「はい。」を「はい。」、「いいえ。」を「いいえ。」としなさい。それは、あなたがたが、さばきに会わないためです。

フョードルの殺害容疑をかけられたカラマーゾフ兄弟の長男、ミーチャがアリョーシャに言った言葉もそれを表しています。

「おまえが好きさ。おまえの話すことは、いつだって混じりけのない真実だけ、何ひとつ隠し立てしないからな!」

小説前編に出てくるゾシマ長老は「癒し」で有名で、アリョーシャの尊敬する人物です。その「癒し」の方法とは、ゾシマ長老が彼の周りに集まる人々の話を聞き、真理を伝えることです。そのゾシマ長老が亡くなった後も、そのレガシーがアリョーシャの生き方によって、受け継がれることになります。アリョーシャは僧職には進まなかったけれど、俗世界で、ゾシマ長老を見て学んだ癒しを知らずとも模倣している様子が読み取れます。

最後に、真実を語らず、自分にも嘘をついて生きるとどうなるか。それは第6編 ロシアの修道僧 (d)謎の訪問客の箇所で明らかになります。
かつて愛していた女性を殺し、下男に罪が降りかかるのを黙認して14年間過ごした人の良心の呵責は、ドストエフスキーの「罪と罰」を思い出させます。誰も犯罪を見つけて彼を公的に裁きはしなかったけれど、その罪は彼の心の中でどんどん大きくなり、耐えきれないものになってしまったことが描かれています。


この壮絶なドストエフスキーの長編小説、あなたはどんなテーマを読み取るでしょうか?


 

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カラマーゾフの兄弟1
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妻の姉

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歴史小説や古典、社会学系の本など、幅広く読む。ウエディングドレスデザイナーなのでファッション系の本も好き。妹以上にモノを増やしたくない派なので、本は基本的に図書館で借りる。2児の母。時には辛口レビューを書くこともある。
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