人文・思想 哲学

正統の哲学 異端の思想:常識を180度ひっくり返されます

投稿日:2018年6月27日

正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒-中川八洋-idobon.com

あなたは、自分の常識を疑う勇気はありますか・・・?

タイトルからしてかなりヤバげな本ですね(^^;) 副題にある通り「人権」「平等」など、一般的に望ましいとされている概念を「毒」とまで呼び、本文ではデカルト、ルソー、ヘーゲルなどの有名な哲学者や、「近代人権思想の始まり」などと言われるフランス革命を激越に批判しています。さらに、「進化論」で有名なダーウィンまで批判し、もうやりたい放題です(笑) ここまで書くととても危ない本に聞こえますが、じつは決してカルトなどの類の本ではなく、れっきとした大学教授が書いた、近代政治哲学の本です。

本書は、「保守主義」(日本で言われる「保守」とは若干意味合いが違うようです)の哲学の立場から、共産主義及びそれに類する思想を批判しています。しかし、その批判の矛先が、私たちが普通良いものと思っているものも容赦なく含まれているものだから、読んだ時の衝撃は非常に大きいです。しかも、大学教授らしくきちんと根拠を示して論を展開しているので、主張にはかなりの説得力があり、ますますその衝撃は大きくなります。

以前、「知的生活の方法」という本のレビューで、人生を変えられたと呼べる本は私にとって数冊しかありません、書きましたが、本書はまさにそのうちの1冊です。著者の主張に全て賛成する、というわけではないですが、今までの既成概念を大幅にひっくり返されるので、非常に知的好奇心が刺激されます。自分が当たり前だと思っていたことが、実は違うのではないか、と考えさせられ、自分で調べてみたい、確かめてみたい、もっと勉強したいと思わされるのです。そして関連する本を手に取り、また別の本を読み…ということを繰り返しているうちに、気が付けば読書が習慣になっていました。それまであまり読書はしてこなかったのですが、以来、完全に読書がライフワークとなっています。本書に関する分野の本だけを読んでいるわけではありませんが、本書で受けた知的な刺激が一つのきっかけだったことは間違いありません。

本書の読後感は、たとえて言えば、映画「マトリックス」で、主人公が仮想の夢世界であるマトリックスから現実の世界に目覚める感覚に似ているのかもしれません。それくらい、衝撃的な内容が書いてあります。政治、哲学系に興味のある方はぜひ一読をおすすめします。もちろん、著者の主張に賛成するかしないかはあなた次第。あなたは、自分の常識を疑う勇気はありますか・・・?

 


 

正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒-中川八洋-idobon.com

正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒
中川八洋

Amazonで見る 楽天で見る  

 

The following two tabs change content below.

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-人文・思想, 哲学
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

保守主義の精神(上)-ラッセル・カーク-idobon.com

保守主義の精神(上・下):何度も繰り返して読みたい名著

保守主義について気合を入れて学びたい人に まず申し上げておきたいことは、本書は上下合わせて800ページ以上の大著だということです。(この私のように)生半可な気持ちで読み始めると途中で心が折れそうになり …

大学時代しなければならない50のこと-中谷 彰宏-idobon.com

大学時代しなければならない50のこと:大学時代を全力で有効活用するために

文字通りに受け取る必要はないけれど… 「○○時代にしなければならない●●のこと」という本はたくさん出ており、私はあまりこういう類の本は読まないのですが、例外的に本書は私が大学生時代(もう10年以上も前 …

夢をかなえるゾウ-水野敬也-idobon.com

夢をかなえるゾウ:ぱっとしない毎日の何かを変えたいと思っている人にオススメ

ちょっとふざけてるけど実用的 恐ろしくぱっとしない毎日を送っている主人公の前に、インドの神様「ガネーシャ」が現れて、徐々に主人公の人生を変えていくという小説スタイルの自己啓発本。 ガネーシャはインドの …

The Professor Is In: The Essential Guide to Turning Your PH.D. Into A Job Karen Kelsky

The Professor Is In:学問で食べていきたい人の必読書

アカデミックな就職活動のサバイバル教本 本書は、アメリカの博士課程の学生が就職で直面する厳しい現実と、その中でいかにアカデミックな職をゲットするかという方法に焦点をあてて解説している本です。 米国にお …

キリスト教と戦争 (中公新書)-石川 明人-idobon.com

キリスト教と戦争:キリスト教はいかに戦争をとらえてきたかがわかる好著

キリスト教は戦争を肯定しているのか、平和主義なのか 私自身クリスチャンであり、また、国際政治や安全保障に興味があります。そんな私の大好きなトピックが合体した、私にとっては1冊で2度おいしい(?)本です …