見た目は貧困に見えなくても実は生活に窮している女性たちの闇
以前、鈴木大介氏の「最貧困女子」という本を読んだことがありますが、それは家庭環境や知的障害などの背景から貧困に落ち込み、抜け出せなくなってしまい、結局セックスワークなどに従事するようになってしまう女子の話でした。
こちらの「貧困女子のリアル」はどちらかというと自分にとっても身近なバックグラウンドを持っている人たちが陥りやすい貧困を描いた本で、よりリアル感がありました。
中流階級の家族出身で、学歴もそこそこ。外見もそこそこ。でも見栄や依存により、知らず知らずのうちに何かにお金を使ってしまっている。そして気づいたときにはカード借金地獄。頼れる人もいなくなっている・・・。
この本で描かれている女性たちに共通する問題は、「なぜかどこかが満たされない」という精神的なものなのでは。それを満たそうとして、ものや人にお金をつかってしまう。自分にとって不利な、依存的な状況に浸かってしまって抜け出せない。将来を見据えた貯金ができない。
実際に私の友人や知り合いにもそういう人がいます。でも彼女たちは見た目はきちんとしているので、貧困に陥っているとはまさか周りは思わないのです。
モノであふれる時代だからこそ、人とのつながりが希薄になっている時代だからこそ、誰にでも起こりうる状況なのではと思います。小さなことに喜びを見つける力、現状に満足を見いだせる力を培うことがいかに大事か思い知らされます。
貧困女子のリアル
沢木 文
妻
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