なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
ゼロから何かを作り出す人はこうやって仕事をする
「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」
誰しもドキッとするようなタイトルについ引かれて、手に取ったのは数年前。読んで「すごい!」と思ったものの、お恥ずかしいことにその時は実践に移せず。
しかし、私の仕事のパターンとして「今日はこれをやろう!」と決めたことが、結局まったく手つかずで、げんなりした気持ちで一日を終える、というループにハマりがちなんです。
そんなループから抜け出そうと、最近になってようやくこの本に書いてあることを実践し始めました。
「作業の見積もり」に時間を割け
米マイクロソフトに初めて勤めた日本人の中島聡さんが書いた本書は、一言でいうと「超人の仕事術」。
仕事のできる人の頭の中はこうなっているのか・・・とうかがい知ることができます。
本書でとにかく強調しているのは、「作業の見積もり」をすることにまずは時間を割けということ。
例えば、仕事が出来ない人のお決まりのパターンはこんな感じ。
月曜日に、「金曜までにレポートを終わらせるように」と上司に頼まれたとしたら、月曜・火曜は「まだ間に合うだろう」と仕事を放置。水曜日くらいにぼちぼち着手するものの、木曜日くらいに「やばい、これでは終わらない」と気付き、徹夜しても仕上がらない。そして金曜日に上司に泣いて謝る。
といった感じです。
思い当たる人もいるのでは。(私。グサっ)
中島さんに言わせてみれば、これは「作業の見積もり」が甘いから。
どういうことかというと、その作業を完成するのにどれくらいの時間がかかるのか、まずは見積もれ、ということ。
月曜日に仕事を頼まれたら、「はい分かりました」と受けるのではなく、
①まずは「この作業を完了するのにどれくらいの時間がかかるのか、見積もりの時間をください」と言う
②超速でプロトタイプ(試作品)を作る
③プロトタイプを肉付けしていくのにどれくらいの時間がかかるか見積もる
ということです。
プロトタイプは、8割がた完成しているものです。つまり、最初の2割の時間で8割の仕事を終わらせてしまえというのです。
私もよくギリギリで仕事に取り掛かってしまうタイプなので、何度読み返しても心に「グサァアああ!!」とささることばかりです。
でもよく考えてみれば、今まで仕事が超絶早いなと思った人は、安請け合いは決してしないんですね。一旦「ノー」と言うんです。でも、こちらが「あぁ断られちゃった、どうしようかな」と悩んでいるうちに「はいできたよー!」と仕上げてくれちゃうんですね。
そういう人は、作業にどれくらいの時間がかかるのか、今自分が持っているボールに上乗せしたらどうなるか、常に見極めているんですね。
超人の「ロケットスタート仕事術」
一番印象的だったのは、中島さんがプロトタイプを作る時に入り込む「ロケットスタート仕事術」。
とにかく最初の2日間で8割完成させるつもりで、仕事のことだけ考えて、メールやSNSなども全てシャットアウト。コーヒーも入れず、外食にも行かず、2日間は仙人のようになって、とにかくなりふりかまわずプロトタイプの作成に打ち込むのだそうです。
「2日間くらいなら、同僚や上司を無視していてもなんとか関係が修復します。」
とバサっと切っているのがすごいと思いました。
でもその集中力はどっから湧き出てくるの?という答えに対して、これまでものすごく論理的に話していたのに「界王拳を使え」だから、「ズコーーーーー!!」となります。(笑)
やはりできる人は朝に仕事する
多くの仕事ができる人はとても早起きで、皆が起きだす前に肝心な仕事は終えてしまいます。
中島さんも、朝4時~6時半の間に、1日のメインの仕事の8割を終わらせるようにと言っています。
なぜなら、その時間が一番邪魔が来ないし、メールの返信もする必要がない。脳も集中ゾーンに入りやすい最適な時間帯なのです。
ベストセラーをすごい勢いで輩出し続ける作者のダン・ブラウンも、朝5時に起きて、プロテイン入りスムージーとビュレットプルーフ・コーヒーだけを飲んで、ガ~!!と仕事に集中し、12時以降には書くのをやめてしまうのだとか。
私もこの仕事の仕方を取り入れようと、5時15分に起きて、5時30分から仕事を始め、13時ごろには終える、という方法に取り組んでいます。だって赤ちゃんがいるから、邪魔されずに集中できる時間は朝しかないんだもの!!
ただし、これをやると夜に超絶眠くなる!!8時にはもう眠くて、10時には両目を開けていられないくらいです。
夜に付き合いがある時は乱れてしまいがちだし、朝起きていきなり集中できない日もあるので、定着させるまでしばらく時間はかかりそうです。
仕事ができる人のエッセンスが学べる
こういった仕事術は、「さあやれ」と言われても凡人には難しいものです。私も実践に移すまでに何年もかかりました・・・
中島さんも言っているように、こういった仕事術は本当にやりたい仕事をしていないと、難しいんじゃないかなと思います。
そもそもやりたくない仕事をしていたら、効率化しようというモチベーションが上がってこないもの。
「本当はやりたくないのにな」と思いながらダラダラやってしまいがちです。
本書は、自分が本当にやりたいことは何かを考えるきっかけにもなります。
一斉に実践は難しいですが、何度も読み返して、エッセンスをつまみながら、自分の仕事に落とし込んでいきたいタイプの本です。
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
中島聡
妻
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