科学的には説明しきれない身体の神秘を解き明かす長年の知見
妊娠してから風邪を引きやすくなってしまいました。それも一度引くと治りにくい。お腹の中の人に栄養をとられてしまっているから致し方ないのですが、人様の健康アドバイスをすることを職業にしておきながら、我ながら情けない・・・そんな自分を正当化するがごとく手にしたのが本書。
私はよく、海外のドクターが出している本やポッドキャストから健康情報を収集しているのですが、あるドクターが「風邪を引かなすぎるのもよくない。何年も風邪を引いていないというのは逆に大病の元で、自慢にならない。」と言っていたのが印象的で。風邪にも何かデトックス的なメリットがあるなら、健康オタクとしてはむしろ風邪をポジティブに捉えたいものです。
本書では、本当にそうなの?みたいな非科学的な部分も多々ありますが、執筆時点で75年も整体師として色々な患者を見てきたからこそ知り得たであろう著者の知識が実におもしろい。
例えば、
・前屈しやすい姿勢の人は胸椎五番の動きが悪く、鼻や喉から風邪を引きやすい
・体が左右に偏る癖のある人は、風邪を引くと下痢になりやすい
とか。
風邪を引いて整体師にかかるというのは一般的ではないように感じますが、こうも風邪と骨が関係あるのかと思わされます。
私も夫も、いつも鼻や喉から風邪を引くのは、前屈しやすい(猫背っぽい)姿勢だからなのかなぁと、背筋を伸ばしてみたりするのでした。
病は気からというのは、あながち間違いではない
本書では、思いこむことで症状が悪化することがあると言っています。くしゃみが出るというのは、逆に風邪が出て行ったということ。その時点で「あ、風邪を引いてしまった」と思うことで本格的な風邪を自ら招いてしまうのだとか。下痢をしたときは「あ、下痢になってしまった」と思うのではなく、「あ、もう下痢が出てった」と思うのが正解とのこと。
この考え方は非常に使えると思いまして、花粉症持ちの私たち夫婦は鼻水アタックに襲われた時は「花粉症キタ~!!!」ではなく「花粉出てった~!!!」と思うようにし始めました。気のせいもあるかもしれませんが、いくらかいい気がします(笑)。
胸椎5番とか頚椎1番とか、解剖学の専門用語みたいなのが多いので、骨に興味のない人には何語をしゃべってるんだ?!という感じな部分も多々ありますが、考え方としてとても面白い本です。
風邪=悪ではなく、風邪を利用してより健康になる、という思考を取り入れてみようと思います。
風邪の効用
野口晴哉
妻
最新記事 by 妻 (全て見る)
- 贖罪の奏鳴曲(ソナタ):悪人か善人か分からない主人公の行動から目が離せない - 2022年10月30日
- 五分後の世界:戦争をやめなかった日本はこうなっていたかもしれない - 2020年2月11日
- L.A.ギャップ:LAに渡った日本人の行く末 - 2020年2月5日