家庭に一冊は置いておきたい植物療法辞典
植物療法士の森田敦子さんの知恵の詰まった植物療法辞典。森田さんはフランスで植物療法を学ばれたわけですが、フランスでは「エルボリステリア」というハーブ薬局が一般的とのこと。不調の時は、植物療法士に相談して、自然治癒力を高めるハーブなどを処方してもらうのだとか。素敵ですね。
客出乗務員として働いていた時に、不規則な生活やストレスでダストアレルギー性気管支ぜんそくを患い、休職を余儀なくされた森田さん。アトピーも発症してステロイドと気管支拡張剤が手放せなくなってしまったそう。諸々の事情で医師から「子供は望めない」と言われたものの、植物療法を取り入れた体質改善の結果、42歳で自然妊娠。
実際にイベントで森田さんとお会いしたことがありますが、大らかで素敵な方でした。そして本当に40代半ばとは思えないほどのお美しさ!植物の力を借りてこそ内面から湧き出る美という感じでした。
この本を手に取って、薬を使わずに治せる症状がこんなにあるのか、と目からうろこでした。ちょっとした風邪の症状からホルモンバランス、便秘、筋疲労など、気になる症状に合わせて辞典のように使うことができます。実際にこの本の影響でエッセンシャルオイルも取り入れるようになりました。
薬のような即効性はなくても、ゆっくりじんわりと自然の力を借りて、自分の体に備わった自然治癒力を高めていくというのが、本来の人間のあるべき姿なのかなと思います。
日本は医療費が3割負担という素晴らしい国ですが、ちょっとした症状で薬を使いすぎなところがあります。今でこそ3割で使えますが、1984年から1割、1997年からは2割、2003年から3割と、ちゃくちゃくと自己負担額が増えてきています。財政赤字や高齢化で医療制度の破綻がささやかれる今、将来的に医療費の4割5割が自己負担になっていくことも十分に考えられます。
アメリカでは日本のように国民全員が加入する医療保険がないので、ただの風邪くらいでは病院に行きません。私もアメリカにいた一年半は海外旅行保険で過ごしていて、保険適用の病院が近くにありませんでした。そう簡単に医者にかかれなかったので、そもそも病気にならないように体調管理はしっかりするようにしていました。
日本の医療制度や先進医療には感謝すべきですが、日本人はサロンに行くような感覚で利用しすぎです。
今後の日本の状況を考えると、自分と自分のお財布を防衛するためには、ちょっとした症状なら自分で治す能力を磨くことが必要とされてくるのかもしれません。
本書は症状やアイテムに合わせて逆引きもできます。カラーでデザインも可愛く、文章も簡潔で読みやすい。まさに一家に一冊をオススメしたい本です。
自然ぐすり – 植物や食べものの手当てでからだとこころの不調をととのえる
森田 敦子
妻
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