66年の経験を持つ助産師さんの不朽の知恵
戦前から66年間、まだまだ(執筆時点で)現役として活躍している87歳の助産師さんの書いた本。妊娠から育児まで、4000人以上の赤ちゃんを取り上げてきたからこそ語れる知恵が詰まっています。
出産前で予定日も過ぎて、陣痛のことでやきもきしていた時に、この本を手に取りました。おばあちゃんのがっしりした言葉に安心して、ふっと肩の荷が下りた感じがして、いっぱい涙が出ました。
ひとつ印象に残ったのが、昔のお産はもっと自然なものだったということ。人びとは、ご飯を食べてうんちをするように当たり前のことかのように、赤ちゃんを産んでた。今ほど特別なことではなかった。
ちょっと何かが気になると、簡単にスマホで調べられてしまう今の時代。私も、情報でがんじがらめにして頭でっかちになって、色々不安がっていました。
でもこの本を読んで、もっと肩の力を抜いて気楽に行くことが大事なんだなって思わされました。そして陣痛が始まったとき、この本に書いてあったおばあちゃんの言葉を思い出しました。
お産が怖い、陣痛が怖いと思っていると、赤ちゃんの準備が整ってきても、陣痛が進むのをストップしてしまいます。
だからできるだけお産中は、大丈夫、大丈夫、一緒に頑張ろうね、と思うようにしました。お母さんの心持ちや緊張感、不安感を赤ちゃんも感じ取ってしまうようです。
これを書いている時点でまだ母親になって1週間足らずの私ですが、このことは入院中に他のお母さんと赤ちゃんの様子を見ても実感しました。お母さんが赤ちゃんのことを思い通りにしようとしてたり、お母さんがナーバスになっていると、赤ちゃんに伝わって、泣き止まなかったりぐずったりするのをよく見かけました。
知識も大事かもしれないけど、赤ちゃんのことを、赤ちゃんのタイミングで、ありのままに受け入れてあげること。私も気張ったりせず、ちょっとずつ経験を通して学んでいければなと思います。
このおばあちゃんの生きる姿勢も本当に素敵だと思いました。87歳になっても、日々進化、発達させてもらっている、感謝だ、と書いていました。年齢や経験にのけぞらず、常に成長している姿は見習うべきものがあります。
育児についてのアドバイスも盛りだくさんなので、育児をしていく中でも何度も読み返したいと思います。妊娠中で出産が不安な人、子育てに行き詰まっている人に、ぜひ読んでもらいたい本です!
▼関連記事:出産前にお産が怖くて怯えていた時に書いた記事です
大丈夫やで 〜ばあちゃん助産師(せんせい)のお産と育児のはなし〜
坂本フジエ
妻
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