妊娠をきっかけに、友人が妊娠にまつわる本を大量に貸してくれました。その中の一冊「そういうふうにできている」は、ちびまる子ちゃんの作家であるさくらももこさんの妊娠体験を綴ったエッセイ。
1995年に書かれた本だけれども、妊婦の通る苦労というのは時代を超えて共通するものがあるのだなとちょっと安心させられました。というのは、私の妊娠体験がさくらさんの妊娠体験とかなり被るところがあるのです。
・いわゆる吐き気を催すつわりはないけれど、初期は情緒不安定な時があった
・4か月目のとある日を境目に気分がカラっと晴れた
・身長も元の体重も、5か月時点での体重の増え方も同じ
・元々最高に快便タイプなのに妊娠で頑固な便秘を経験した
・とにかく体が痒い
などなど、似ているところが結構あって、自分が経験していることも正常な妊娠体験の一部なのだなと安心させられました。
この本では妊娠前から出産後に至るまでの、さくらさんの気持ちの変化などがつづられているのですが、特に「便秘」のエピソードには爆笑させられました。ちょっと汚い話だけど、肛門に詰まった便を擬人化して絵にしたりと、たかが便秘をここまで面白くかけるのはさすがのちびまる子ちゃんの作家ならでは。
さくらさんは帝王切開で出産されるのですが、その時の「手術」の体験談も興味深い。部分麻酔でお腹を切られているときに、意識がもうろうとするなか、魂・脳・心の関係について考える場面があります。
印象に残ったのが、「魂」はいわゆる「意識」で、つまりエネルギーであるということ。そして「脳」は肉体の一部だけど、「心」は実在するものではなく、「意識が脳を使用している状態」であるということ。
私はクリスチャンとして「魂」についてよく考えることがあるけれど、この3つの関係については考えたことがありませんでしたが、このさくらさんの説明には腑に落ちるものがありました。
ちびまる子ちゃんやコジコジの作家さんとしてしか知らなかったのですが、幼いころから親しんでいた作品の背景にはこんな体験があったのねー、と面白く読ませていただきました。
妊娠中だったり出産を控えている人には、共感できるところの多い本です。
そういうふうにできている
さくらももこ
妻
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