世界経済を「4つのプレーヤー」と「17のマス」の視点から把握する
私の投資スタイルは基本的に長期投資で、高配当株や投資信託、ETFを買ってずーっと持っているというもの。ウォーレン・バフェットなどが推奨するバイ&ホールドというやつです。一定の金額で同じ商品を長期的に買っていくという「ドルコスト平均法」に則って細々と投資をしています。
この方法は、株価や為替のニュースを常にチェックをする必要がなく、忙しく働いている人にはもってこいの投資法です。買ったら買ったことを忘れる。そうすると気づいたら殖えているというものです。というと聞こえはカッコいいけど、経済ニュースの読み方が分からない&読むのがめんどくさいだけだったりします(笑)。
とはいえ、社会に出てから投資を始めて、投資額も笑えない額になってきました。そろそろニュースなども読めるようになって、さらに賢い投資戦略を立てられるようになりたいと思って手にしたのが本書。
大学で「開発経済学」を勉強したにもかかわらず、金融市場のこととなるとさっぱり。でもたとえば円高に傾いたときは何でそうなってるのかとか、株価が落ちたのはなぜなのかとか、ニュースを読んだらぱっとわかるようにしたいわけです。株価が暴落したら、金市場はこうなるんだろうな、とかそういう予想もつくようになりたい。
そこを本書では、世界の金融市場を「4つのプレーヤー」と「17のマス」に分けて考えることで、マーケットの動きをある程度予想できるようになると述べています。
4つのプレーヤーとは各国の中央銀行、金融機関、機関投資家(年金機構や大学基金ファンドなど)、個人投資家のこと。このプレーヤーたちが為替、債券、株、不動産の市場においてどういう動きをしているかということを、ニュースを読むうえで注目すべきとのこと。17なのはこれに商品市場(原油、金など)が加わるから。
その他、今の金融市場を理解する上で知っておくべき歴史などもわかりやすく説明されています。サブプライム問題、米国利上げ、GREXITやロシア・ルーブル危機など、なんとなく聞いたことはありましたが、それぞれにどういう相関性があるのかということがうまく理解できていなかったので、本書を通して整理することができました。
2015年出版の本なので、内容的に古くなっているところはありますが、基本的な考え方や押さえておくべき歴史など、わかりやすかったです。
また、本書の見出しで目を引いたのが、「日経新聞はいらない。ロイターで差をつけろ!」というところ。日本のメディアを見ていると海外のニュースはほとんど報道されていなかったり、日本語になるのにタイムラグがあったりします。
新社会人になったらよく「日経新聞を読もう!」とプロモーションされていますが、日本円で日本株だけを買っているとしても、世界のニュースとは切っても切り離せない部分があるものです。ロイターやブルームバーグなどの通信社の情報はオンラインでタダで読めるので、日経を読むよりタイムリーに世界の情報を手に入れることができます。英語版を読めたらそれもまた強みになります。
これからはもっとニュースを読めるようになって、市場の動きとの関連性を学んでいきたいと思っています。井戸本家のCFO(最高財務責任者)として腕を磨かなくては!(笑)
勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方
玉川陽介
妻
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