主人公、いい奴なの?悪い奴なの?最後まで分からない!
ストーリーは、主人公である利き腕の弁護士御子柴(みこしば)が、とある男の死体を処理するところから始まります。弁護士らしからぬ怪しい行動を取ったり、詐欺罪で捕まった男の弁護人を引き受ける際に法外な費用を請求したり…。一方で、国選弁護人を頼まれたり法曹界の重鎮にも一目を置かれるほど利き腕の弁護士であるはずなのに、人には隠している過去がある主人公。
主人公が最初から悪役っぽい行動をしているのに、ほとんどお金にならない国選弁護人の案件を引き受けたりと、主人公が極悪人なのか良い奴なのか、最後の最後まで分からない。そんな「どっち?!どっちなの?!」というハラハラ感を楽しめる小説でした。
死体処理の件で刑事に疑いをかけられ、中盤では御子柴の過去を遡るストーリーが展開されます。あまり詳しく説明するとネタバレになってしまいますが、極悪非道で人の痛みが分からないような人間が、ふとしたことがきっかけで自分の罪に気付いていく様子が、心にグッとくるものがありました。
御子柴が、ある親子の保険金がらみの殺害事件を弁護していくのですが、その裁判の成り行きも最後の最後まで分からない。最後に全てつじつまが合っていく感じが、ミステリー小節らしくスカッとさせられました。
最初はグロい描写もあり、なかなか入り込めなかったのですが、1/3通過したくらいから一気に入り込んで読破できました。法曹界の裏話や死体に関するうんちく、障がい者の方の心理描写なども興味深かったです。ちなみに2015年にドラマ化してたんですね!知らずに読んでました~
贖罪の奏鳴曲(ソナタ) 御子柴礼司
中山七里
妻
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