実際にピア・カウンセリングを行わなくても、良い聞き手になる必要性を感じさせらる本
仲間、友達どうしで日常の悩みや相談事を打ち明け合うというピア・カウンセリング。
話し手のメリットももちろんですが、聞き手にとっても、自分が役に立っている、などとの自己肯定感の促進になり、満たされるとの良い点があるそうです。
大抵の人は皆、「自分は良い聞き手だ」と思っているそうです。ただ、この本を読むと、自分を含め、どれだけ良い聞き手は少ないかに気付かされます。皆、先入観と自分の価値観を持っています。それを前提に聞いているので、非難したり、逆に根拠もないのに元気付けようとしたり、説教したりとしてしまう傾向があるようです。また、横やりを入れずに黙って聞いているだけでも、良い聞き手になっているとは限らないのです。まず、先入観を空にして、相手の立場を把握しながら聞くことが大切だそうです。
「ユースフル思考」というものがあります。
その基本的な考えは、
* 難しい人はいない。柔軟性のない自分がいるだけ
* 失敗はない。あるのは学びだけ
* 他人と過去は変えられない。変えられるのは自分だけ
* 失敗から学ぶ人は決して敗者とはいわない
などです。自分は変えられる。他人は変えられない。と、自己責任の範囲を明確にし、まずは自分は間違っていないか、変われるところはないかと振り返ってみる。そういった態度により、自分も自分を取り巻く周りも良い関係に変わっていくのだと勉強させられました。
まずは色んな人が、人の話を聞く時にどのような対応をするのかを観察してみる。そのことにより、他人が見えてくると同時に自分自身を理解することに繋がります。今すぐ出来る第一歩ですが、今後のより良い人間関係のために大いな活力になりそうです。
仲間どうしで「聞く・話す」ピア・カウンセリング入門―あなたも誰かの役に立つ!気軽にはじめよう、最も身近なカウンセリング
ヒューマックス
妻の姉
最新記事 by 妻の姉 (全て見る)
- モデラート・カンタービレ:短いけど不思議な感覚を残す小説 - 2020年2月26日
- ベラミ:欲望、死、人生の満足、恋愛のあり方、そしてフランス人の暮らしぶり - 2020年2月17日
- 獲物の分け前:18世紀後半パリ、ある女の破滅の物語 - 2020年2月9日