文系にもよくわかる地球の気候史
先日、本屋で見かけて面白そうだったので、つい衝動買いしてしまいました(^^;) しかし買ってよかったです。最近読んだ科学読み物の中でも、ダントツに面白かったですね。私はもっぱらの文系人間で、難しい数式や科学の概念はさっぱり理解できませんが、そんな私でも本書はストレスなく、すらすらと読むことができました。著者は科学者ですが、文章の書き方がとても上手だと思います。私も見習わねば。。。(;´Д`)
肝心の内容ですが、著者は主に福井県にある水月湖の堆積物から、過去10~15万年ほどの気候変動について解説しており、いろいろと驚かされる内容が満載です。
過去数十万年のスケールで見た場合、現在の温暖な気候はむしろ例外的であること、過去の例からすると現在の温暖期は終わっているはずであること、などなどです。
特に、氷期になれば現在よりも平均気温が大幅に下がり、生活に壊滅的な打撃を与えかねないことから、もし人類の温室効果ガスによってその氷期の到来が遅れているとしたら、温室効果ガスの善悪はひっくり返る可能性がある、と述べているところは、非常に考えさせられます。他の専門家の皆さんは、この点をどう考えておられるのか、興味のあるところです。
また、私は大学時代に考古学を専攻していたこともあって、過去の気候の変化と、農耕の始まりとの関連性について論じているところも食い入るように読んでしまいました。
なぜ温暖期が始まると同時に一気に農耕が広まったのか。それは、温暖になって作物が育てやすくなったからではない、と著者は言います。では、その理由とは。。。?
続きはぜひ、本書を読んでみてください(笑) ほんとに科学読み物とは思えないくらい平易に書かれているので、難しすぎて読めないということはないと思います。
スッと読めて、知らなかったことがいろいろ勉強できて、読み終わると賢くなったような気持にさせてくれます。読後感が非常に良いですので、ぜひ皆様にもおススメしたい1冊です(∩´∀`)∩
人類と気候の10万年史
過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか
中川毅
夫
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