「普通の日本人」がLAに来てどうなったのか
1992年出版のルポなので内容は古いのですが、日本人がLAの街でどういう風に思われてきたのか知るいいきっかけになりました。
内容は、結構ショッキング。
まず始めに出てくるのが、こちらでの男遊びが原因でHIVに感染してしまった女性の話。これは虚しくもあり、泣けるストーリーでもありました。
次に、日本人の女の子は本当に尻軽だと思われているのか、という話から、なぜか筆者がAVの撮影への潜入レポートまで。
このルポで特に強調されていたのが、日本人の危機意識のなさと、目的意識のなさ。
危ないと言われている夜のバス停で一人待ちぼうけをする女性や、平気で見知らぬ男に着いていく女性。とりあえず他にやることもないからという理由で留学する大人の多さ。
守られた安全な場所で育ちながら、明確な目標も持てず、自己主張もできない。とりあえず居場所を求めてLAにきたものの、英語も上達せず、気付いたら不法就労にドラッグ漬け。日本人に帰るにも帰れない。そんな日本人が多く取り上げられていました。
もちろん、30年も前の内容なので今の留学生はどうなのかは分かりませんし、明確な目標をもってLAに来て、真面目に暮らしている日本人もいます。
しかし、「クールジャパン」などといってメディアが自国の良さばかりアピールしている中、日本人が本当に外国人からどう思われているのか、知るきっかけにはなると思います。
LAに来る来ないにかかわらず、日本人なら、一度読んでみると面白い本だと思います。
ぜひ、2020年版の続編が読みたいです。
L.A.ギャップ
三宅マリ
妻
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