小説 文学・評論

パリ行ったことないの:やりたいことを始めるのに待たなくてもいいのだと思わされる

投稿日:2018年4月1日

パリ行ったことないの-山内マリコ

やりたいことを始めるのに待たなくてもいいのだと思わされる

友達がオススメしてくれたこの本、タイトルと表紙の絵が可愛くてすぐさま読んでみたい気持ちになりました。数時間でサクっと読める短い小説です。

ストーリーは、10人の女性が登場して、それぞれ紆余曲折を得てパリに行くことを決意する話。最後にみんなの人生が交差し、ほっこりした感じで終わります。

年齢も境遇も全く異なる女性たちの話ですが、それぞれの心の描写がリアルで、一人一人どこか共感できるところがあります。
短い小説でここまで人の心の動きを細かく描写できるのは、山内マリコさんのすごいところだと思います。

色々な登場人物がいますが、みんなに共通してあるのが「今の私にパリなんて…」という思い。
この思いは私も持っています。
パリには学生時代一度行きましたが、友達もいるのでまた訪れたいと思っています。
パリだけではなく世界中の色々なところを旅したい。
でも、今の私のままじゃそんな楽しみを堪能する資格はないと、どこかで思ってしまっているのです。
どこかで「東京で、目標を達成するまで、缶詰になって頑張らなきゃ」という気持ちがあります。

この小説では、みんなとりあえず行ってみるか、となっているところに元気づけられます。明日は、ないかもしれないんです。「いつか」ほど不確実なことはありませんよね。


 

パリ行ったことないの-山内マリコ

パリ行ったことないの
山内マリコ

Amazonで見る 楽天で見る

 

 

The following two tabs change content below.

体や栄養に関するマニアックな本、経済・投資関連の本、社会学系の本が好き。モノを増やしたくないので本はできる限りデジタルにしたいと思っている。ミステリー&サスペンス系の小説が好きだが、はまり込むと家事や仕事をおろそかにするのでたまにの楽しみにしている。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-小説, 文学・評論
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

星の王子さま (新潮文庫)-サン=テグジュペリ (著), 河野 万里子 (翻訳)-yumiid.com

星の王子さま:失った童心を取り戻せる

イタい大人になっていないか見直す機会に この本は子供向けの本のイメージが強いかもしれませんが、読むときの自分の状態によって感じ方が変わるので、大人になっても何かの折に何度も読み返したい本です。 結婚を …

The-Kite-Runner-Khaled-Hosseini-idobon.com

君のためなら千回でも(The Kite Runner):犠牲、裏切り、悔い改めのストーリー

イスラム教の世界だけどすごく聖書的なストーリーだと思った PR会社で働いていたころ、ある会社の社長のPRをする機会がありました。雑誌やオンラインメディアのインタビュー枠を取ってくる仕事だったのですが、 …

ビルマの竪琴-竹山道雄-idobon.com

ビルマの竪琴:人としての大切なものは何かを考えさせてくれる小説

読むと思わず胸が熱くなる 本書は、ビルマ(現在のミャンマー)を舞台に、第2次世界大戦中に派遣された日本の兵士の方々の、戦争中の様子から戦争後に帰国するまでの様子を描いたフィクションです。この物語は、昭 …

エマ-ジェーン・オースティン-idobon.com

エマ:全てに恵まれた傲慢な若い女性の自己成長の物語

読みにくいが最後まで読む価値がある作品 ノーサンガー・アベイ、高慢と偏見と続けてジェーン・オースティンの本を読んできましたが、「エマ」は上記2作に比べて読みやすさで言うと難易度が高い作品だと感じました …

高慢と偏見(上)-ジェーン・オースティン-idobon.com

高慢と偏見:男性にこそ読んで欲しいプリンセスストーリー

男性はダーリー氏の姿勢からモテを学べ 何度も映画化され、おそらくジェーン・オースティンの作品の中で最も有名な小説である「高慢と偏見」。なんと21歳の時に書いた処女作だそうです。 この物語はキャラクター …