外交・国際関係 社会・政治

新版 北朝鮮入門:「北朝鮮問題」の格好の入門書!

投稿日:2018年1月19日

新版北朝鮮入門-礒﨑 敦仁, 澤田 克己-idobon.com

「北朝鮮問題」について知りたければまずこれを読むべし

金正恩の満面の笑顔がまぶしい本書の表紙ですが、内容はいたってまともです(笑)

仕事の関係で北朝鮮のことを調べる必要があり、いろいろと読み漁ってみたのですが、この本が一番北朝鮮情勢の全体像を把握するのに役立ちました。

サブタイトルのとおり、北朝鮮の政治経済の状況、歴史、各国との関係などについて幅広く、しかも丁寧に解説されています。北朝鮮について、一般の人々(少なくとも私のような素人)が抱くような疑問、例えば「北朝鮮はなぜ核・ミサイルを開発するのか」「なぜ北朝鮮のトップは世襲制なのか」「なぜ中国は北朝鮮を擁護するのか」「なぜ北朝鮮の体制は崩壊しないのか」等々についても解説されており、筆者の解釈が正しいかどうかは別としても、一つの説得力ある見方を提供してくれていると思います。しかも文体が平易で読みやすく、割とサクサク読めてしまいます。

巻末には詳細な文献紹介が掲載されており、もっと北朝鮮情勢について掘り下げて勉強したい、という人には便利だと思います。また、北朝鮮の憲法、祝日一覧、年表などの資料も充実しているので、参考書としても活用できます。

北朝鮮関係の本は、特に最近いろいろと出版されていますが、各論に入る前にまずは全体像を把握した方が理解がしやすいと思いますので、文字通り北朝鮮情勢の入門書として最適だと思います。

 


 

新版北朝鮮入門-礒﨑 敦仁, 澤田 克己-idobon.com

新版 北朝鮮入門
礒﨑敦仁 (著),‎ 澤田 克己 (著)

Amazonで見る 楽天で見る

 

 

The following two tabs change content below.

国際関係、政治、哲学、古典に関する本が大好物。読書は絶対紙派(電子はちょっと苦手なのです…)。アコースティックギターが趣味で夜な夜な練習にいそしんでいる。ツンツンヘアがトレードマークで、ヘアカットをするときのお決まりの注文は「横と後ろはバリカンでトップは短く」。
▼ブログランキング参加中。クリック応援お願いします♪
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

-外交・国際関係, 社会・政治
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

The China Challenge: Shaping the Choices of a Rising Powe Thomas-J. Christensen-idobon.com

The China Challenge: Shaping the Choices of a Rising Power:日本語訳がないのが惜しいくらい良書

The China Challenge: Shaping the Choices of a Rising Power 学問と実践に裏打ちされた冷静な中国論 ここ10年くらい、中国に関する本は巷にあふれ …

分断されるアメリカ-サミュエル ハンチントン-idobon.com

分断されるアメリカ:アメリカの「分断」についての考えをひっくり返してくれる刺激的な書!

アメリカの「分断」についての考えをひっくり返してくれる刺激的な書!:分断されるアメリカ 昨年、トランプ大統領が就任する前後で文庫版で復刊され(最初の翻訳出版は2004年)、話題となった本書。著者は、『 …

In Defence of War-Nigel Biggar-idobon.com

In Defence of War:キリスト教神学者が書いた戦争論の傑作

戦争と平和主義を考えるうえで最高の専門書 色々と本を読んでいて、震えるほど知的興奮に満たされる本に出会えるのは、私の場合せいぜい年に1~2冊くらいです。しかし、2019年は初っ端からきました!今年はい …

核兵器の仕組み:核兵器や原子力発電の仕組みが面白いほどわかる

文系でも読める核兵器の構造に関する入門書 白状します。私、極めて典型的な文系人間です。 大学は考古学を勉強し、大学院では国際関係学を専攻したので、大学受験以降、数学や理科などの科目とは無縁な生活を送っ …

The Hundred-Year Marathon: China's Secret Strategy to Replace America As the Global Superpower Michael Pillsbury-idobon.com

The Hundred-Year Marathon(邦題:China 2049): 日本にとって本当の脅威は何かを教えてくれる本

北朝鮮よりも恐ろしい中国 中国という国は本当に恐ろしい…というのが、率直な読後感でした。いえ、別に中国の人が個人的に恐ろしいというわけではないのですが(^^;)、国家としてのビジョンの大きさ、そして、 …